実話がもとになった映画はどこまで本当か|出典で確かめた一覧

「実話がもとになった映画」と紹介される作品は、たくさんあります。
ところが出典まで戻ると、その「実話」の中身は作品ごとにまったく違います。

このページは、私が1本ずつ出典にあたって確かめた記事を、「実話」の型で4つに分けて並べた一覧です。

各作品に書いてあるのは結論だけです。
何をどう確かめたかは、それぞれの記事で読めます。

この一覧の読み方

判定の根拠にしているのは、映画のクレジット、公開当時の報道、当事者や製作側の発言です。
あらすじの詳細と配信先は、このサイトでは書きません。

4つの型は次のとおりです。

型 意味
① 名乗っていない 映画や原作の側が「実話」と表示していない、または本人が脚色を認めている
② 創作と認めている 監督・脚本家・監修者が、記録に無い場面を自分で作ったと語っている
③ 事件は実在、描写が違う もとになった出来事と人物は実在するが、映画の描き方が記録とずれている
④ 噂の出どころをたどる 「実話」という評判そのものがどこから来たかを、日付のある資料で追う

同じ作品が複数の型にまたがることもあります。
その場合は、記事の結論に最も近い型に置いています。

① 映画や原作の側が「実話」と名乗っていない作品

この型では、「実話」の看板を出しているのが映画そのものではなく、周りの紹介のほうだと分かります。

ターミナル(2004年・洋画)

映画はクレジットにも宣伝資料にも「実話に基づく」と表示していません。
記録のほうは、本人が1999年に出られる書類を得たあとも空港を出なかった、と伝えています。

ターミナルは実話か|映画は一度も実話と名乗っていません

電車男(2005年・邦画)

単行本に「実話である」と書いた箇所はなく、収録されたのはスレッド全体の6.4%です。
それでも、当事者2人が別々に本人と会ったと証言しています。

電車男は実話か|本自身が「実話」と名乗っていません

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年・洋画)

1978年に新聞記者が本人の経歴を照合しましたが、詐欺の証拠は出ませんでした。
本人も2002年に、映画は自分の伝記ではなく物語だと述べています。

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン|本人が脚色を認めた

バーレスク(2010年・洋画)

モデルになった人物はいません。
入っているのは、監督がその世界で働いた経験と、主演アギレラが生で歌った経験です。

バーレスクは実話か|監督と主演アギレラが語った実体験

マレーナ(2000年・洋画)

原案は脚本家ヴィンチェンツォーニの短編で、実在のモデルは見つかりません。
舞台をシチリアへ移したのは監督です。

マレーナは実話か|原案は脚本家ヴィンチェンツォーニの短編

悪魔を見た(2010年・洋画)

モデルになった事件を語った資料は見つかりません。
脚本家が語った着想は、ニュースに付いたネットのコメントでした。

悪魔を見たは実話か|脚本家が語った着想はネットのコメント

スワロウテイル(1996年・邦画)

円都の街も言葉も監督の造語で、街や通りは全てオープンセットだと本人が語っています。
史実なのは、時代背景の数字のほうです。

スワロウテイルは実話か|円都の街は全てセットと監督が語った

② 製作側が「創作」と認めた場面がある作品

史実がもとにあることは製作側も認めつつ、特定の場面については自分で作ったと語っている型です。

アマデウス(1984年・洋画)

脚本家も監督も、史実劇ではなくモーツァルトとサリエリを主題にした幻想曲だと述べています。
毒殺の噂を最初に言い出したのは、モーツァルト本人でした。

アマデウスは史実か|毒殺の噂を言い出したのはモーツァルト本人

アポカリプト(2006年・洋画)

監督自身が、物語の多くは自分で作ったと語っています。
監修した考古学者も、矢の的や遺体の穴の場面は記録に無いと認めました。

アポカリプトは実話か|監修の考古学者が創作と認めた場面

戦艦ポチョムキン(1925年・洋画)

腐った肉をめぐる反乱は史実です。
オデッサの階段の場面は監督自身が創作と書いていますが、発砲と死者は実際にありました。

戦艦ポチョムキンは実話か|監督が創作と書いた場面と史実

南極物語(1983年・邦画)

犬の置き去りと生還は史実です。
ただし撮影地は南極ではなく北極圏で、犬も樺太犬ではありません。
プロデューサーは、撮影で一頭も死んでいないと語っています。

南極物語は実話か|撮影地は南極でなく、犬も樺太犬ではない

③ 事件も人物も実在するが、描写が違う作品

出来事そのものは起きています。
違うのは、人物の名前や死に方、動機、そして何が勝負を決めたかです。

八甲田山(1977年・邦画)

遭難は史実ですが、神田大尉も山田少佐も実在しません。
「天は我々を見放した」は実際の発言で、記録の中では映画とは違う意味を持っていました。

八甲田山は実話か|神田大尉も山田少佐も実在しません

ラストサムライ(2003年・洋画)

下敷きは1877年の西南戦争、主人公のモデルは1868年の戊辰戦争を戦ったフランス人で、8年ずれています。
刀と銃の構図も、史実とは逆でした。

ラストサムライは実話か|モデルは8年前の戦争の人でした

ア・フュー・グッドメン(1992年・洋画)

1986年にグアンタナモで起きた事件は実在します。
ただし、現実の被害者は死んでいません。

ア・フュー・グッドメンの実話|被害者は死んでいない

アルキメデスの大戦(2019年・邦画)

予算の偽装は実際にありました。
ただし目的は安く見せるためではなく、艦の大きさを推定させないためで、主人公の櫂直は架空です。

アルキメデスの大戦は史実か|見積もりの偽装は実際にあった

フラガール(2006年・邦画)

モデルの2人は実在します。
ただし、ダンス未経験の素人でも、借金で都落ちしてきた先生でもありません。
1965年の時点で、いわき市はまだ存在していません。

フラガールは実話か|モデルの2人は素人でも都落ちでもない

タイタニック(1997年・洋画)

航海士マードックの描写について、映画会社が遺族に謝罪し、基金に寄付しています。
ローズにモデルがいるという説は、出典に見つかりません。

タイタニックの実話|映画会社が遺族に謝罪している

火垂るの墓(1988年・アニメ)

清太は死にますが、原作者の野坂昭如は生きて作品を書きました。
作品と現実で一致するのは、妹の命日だけです。

火垂るの墓は実話か|清太は死ぬが、野坂昭如は生きた

パリは燃えているか(1966年・洋画)

題名の言葉は、原作者が将校の日記にあったヒトラーの問いから取ったものです。
映画の終盤の電話の場面とは、問いの出どころが違います。

パリは燃えているかは実話か|原作者が明かした言葉の出どころ

④ 「実話」の噂の出どころをたどる作品

「実話」という評判がどこから出てきたのかを、日付のある資料で追った型です。

悪魔の棲む家(1979年・洋画)

1974年の殺害と、一家が家を出たことは事実です。
怪奇現象のほうは作り話だったとする証言を、日付のある報道で追えます。

悪魔の棲む家は実話か|殺害は実話、怪奇現象は作り話との証言

レインメーカー(1997年・洋画)

原作者グリシャムは、実際の事件がもとだと答えています。
ただし、事件の名前は明かしていません。

レインメーカーは実話か|原作者は実際の事件がもとと回答

この一覧について

記事を公開したら、このページに足していきます。
並びは型ごとで、作品の評価順ではありません。