バーレスクは実話か|監督と主演アギレラが語った実体験

※この記事にはプロモーションが含まれています。

映画『バーレスク』は実話なのでしょうか?

結論から書くと、特定の実在の人物や出来事を描いた映画だと説明した資料は、この記事で当たった範囲(末尾に一覧)では見つかりません。
ただし、監督のスティーヴン・アンティンは、2010年の来日記者会見で「バーレスクの世界で働いていた経験を生かし、作品を作ろうとした」と話しています。
アリが生で歌う場面には、主演のクリスティーナ・アギレラ本人が「実生活でも過去に似たような経験がある」と話しています。

『バーレスク』は2010年のアメリカ映画で、監督・脚本はスティーヴン・アンティン、主演はクリスティーナ・アギレラで、シェールが店の経営者テスを演じています。
日本では2010年12月18日に公開されました。

この記事では、監督と主演の言葉がどこに載ったのかをたどり、監督が触発されたと報じられた実在のショーと、撮影に使われた建物についても整理します。

結論:実話と説明した資料は無いが、監督と主演の経験が入っている

項目 判定 根拠
モデルになった実在の人物・出来事 説明した資料は見つからない この記事で当たった資料
監督のバーレスクの世界での経験 生かしたと監督本人が話している BARKS 2010年12月6日
プッシーキャット・ドールズのショー 監督が触発されたと報じられている The Hollywood Reporter 2010年11月11日
アリが生で歌う場面 似た経験があるとアギレラ本人が話している BARKS 2010年12月6日
店「バーレスク・ラウンジ」の外観 ハリウッドの劇場で撮影された 英語版Wikipedia

監督は「バーレスクの世界で働いていた経験」を生かしたと話しました

監督の言葉が載ったのは、BARKSの2010年12月6日の記事です。
同じ日に開かれた来日記者会見のやりとりを、日本語で載せています。

映画を作るまでの経緯を聞かれて、アンティン監督はこう答えています。
「私はもともとバーレスクの世界に魅了されていたので、現代ミュージカルの黄金時代みたいな映画を作ろうと思っていました。バーレスクの世界で働いていた経験を生かし、作品を作ろうとしたのです」(BARKSの記事から引用)。

その「経験」が具体的に何を指すのかは、この記事には書かれていません。

監督が触発されたのは、妹が作ったプッシーキャット・ドールズ

英語版Wikipediaは、監督のきょうだいのロビン・アンティンが、プッシーキャット・ドールズの創設者でメンバーだったと書いています(人物の項目の生年は監督が1958年、ロビンが1961年で、ロビンは妹にあたります)。
アメリカのThe Hollywood Reporterは2010年11月11日の記事で、アンティン監督は現代のバーレスクの一座であるプッシーキャット・ドールズに触発された、と書いています。

アメリカのVarietyの2002年の劇評によると、プッシーキャット・ドールズは、振付師ロビン・アンティンのキャバレーのショーとして、1995年にヴァイパー・ルームで始まりました。
2002年5月には、サンセット・ストリップのロキシーで4週続けて木曜日に上演されています。
この劇評のクレジットでは、監督は「Steve Antin」の名で、司会の台詞の書き手の1人として名前が挙がっています。

英語版Wikipediaは、2020年のEntertainment Weeklyの記事を出典に、2002年ごろのロキシーの公演にはアギレラも出演し、スティーヴン・アンティンがその一部を演出した、と書いています。
同じ項目によると、脚本の最初の骨組みは、アンティンと、映画会社スクリーン・ジェムズの社長クリント・カルペッパーが書いたもので、「自分の暮らしから逃げ出す女の子」がネオ・バーレスクのクラブにたどり着き、演者として歩み出す話でした。

この記事で当たった資料の中に、店や登場人物のモデルを特定したものはありません。
確認できたのは、監督の身近に実在のショーがあり、監督がそれに触発されたとThe Hollywood Reporterが書いている、というところまでです。

アリが生で歌う場面には、アギレラ本人の経験が重なります

同じ来日記者会見で、アギレラは、アリがクラブのみんなの前で初めて歌う場面について聞かれています。
アギレラの説明では、クリスティン・ベルがマイクのプラグを抜いて、アリが歌い始める場面です。
英語版Wikipediaによると、ベルが演じたのはアリのライバルのニッキです。

アギレラは、この場面は生で歌わせてもらいたかったと話したうえで、こう続けています。
「実は実生活でも過去に似たような経験があるんですが、実際に歌ってないんじゃないかと思われていたことがあって、プラグを抜かれて生で歌ったことがありました(笑)。その経験が活きました」(BARKSの記事から引用)。

それがいつ、どこでのことなのかは、記事には書かれていません。

店の外観は、ハリウッドの劇場で撮影されました

英語版Wikipediaによると、店「バーレスク・ラウンジ」の外観と隣の駐車場は、ハリウッドのリカルド・モンタルバン劇場で撮影されました。
撮影は2009年11月から2010年3月にかけて、カリフォルニアで行われています。

ロケ地を調べている英語のサイトseeing-starsは、映画の中で店の建物に見える「8083 Sunset Boulevard」という住所は偽の住所で、サンセット・ストリップにあるように見せていると書いています。
同じサイトによると、実際の建物は、ハリウッドのヴァイン通り1615番地にある劇場です。

「本物のバーレスクとは違う」という声もあります

映画の店のショーは、実際のバーレスクとはかなり違う、という指摘もあります。

アメリカのSlateは、2010年11月の記事で、この映画に欠けているのは、はっきり言えば性的な要素だと書いています。
同じ記事は、アリが最初の場面で心を奪われるのは、実際のバーレスクとはほとんど似ていないボブ・フォッシー風のダンスなのか、と皮肉まじりに問いかけています。
日本語版Wikipediaも、多くのバーレスクの演者が、作中のほぼ全ての演目にストリップティーズが無いことを理由に、この映画には既存のバーレスク文化への理解が見られないと考えている、と書いています。

来日記者会見では、クリスティン・ベルが、バーレスクダンスは自分にとってストリップに近いイメージだったので、演じることを少しためらったが、監督から作品の世界観を教えてもらい、全然違うと知ってほっとした、と話しています。

観て思ったこと

ここからは資料ではなく、私がこの映画を観た印象です。

『バーレスク』は実話映画のような重みよりも、ショービジネスの夢や華やかさを前面に出した作品という印象が強いです。
それでも舞台の裏側や経営上の悩みには現実のクラブ文化を思わせる部分があり、完全なおとぎ話とも言い切れません。
観終わったあとに気になったのは、物語のモデルになった人物の存在よりも、実際のバーレスク文化がどのような歴史を持っているのかという点でした。

老舗クラブが経営難に直面する設定には、現実のショービジネスらしい説得力がありました。
ステージ裏の人間関係や出演者同士の立場の違いも、比較的現実的に描かれている印象を受けました。

この映画の「バーレスク」は、想像とは少し違いました。
観る前はもっと古典的なレビューショーやキャバレーに近いものを想像していましたが、実際には現代的なミュージカル映画に近い印象を受けました。
ダンスや衣装の華やかさはもちろんですが、舞台演出そのものが大規模なショーとして描かれており、「バーレスク」という言葉から想像していたよりも洗練されたエンターテインメントでした。

よくある質問

映画『バーレスク』は実話ですか?

特定の実在の人物や出来事を描いた映画だと説明した資料は、この記事で当たった範囲では見つかりません。
監督は、バーレスクの世界で働いていた経験を生かして作品を作ろうとした、と話しています。

映画『バーレスク』のモデルは誰ですか?

アリやテスのモデルになった人物を明かした資料は、この記事で当たった範囲では見つかっていません。
The Hollywood Reporterは、監督がプッシーキャット・ドールズに触発されたと書いています。
プッシーキャット・ドールズは、監督の妹ロビン・アンティンが作ったものです。

映画『バーレスク』の主役は誰ですか?

主人公アリを演じたのはクリスティーナ・アギレラで、この映画が映画初主演です。
英語版Wikipediaによると、店の経営者テスを演じたシェールは、脇役としてこの役を引き受けています。

映画『バーレスク』の公開日はいつですか?

アメリカでは2010年11月24日、日本では2010年12月18日に公開されました。

この記事は、映画『バーレスク』(2010年・アメリカ・監督 スティーヴン・アンティン)について、BARKSが載せた来日記者会見の記事、The Hollywood Reporter、Variety、Slateの記事、日本語版・英語版Wikipedia、ロケ地サイトseeing-starsの記述をもとに確認したものです。
監督とアギレラの言葉は、BARKSの記事に載った日本語をそのまま引いています。
Entertainment Weeklyの2020年の記事は開けなかったため、その内容は英語版Wikipediaの記述として書いています。
作品について私の記憶で書いたのは「観て思ったこと」の節だけで、それ以外の作品の説明は上に挙げた資料の記述によります。
私の記憶の濃さは、筋は追えるが細部は曖昧、という程度です。

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