ナディアの元ネタは宮崎駿|幻の未来少年コナン2

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『ふしぎの海のナディア』の元ネタを調べると、ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』にたどり着きます。

それは正しいのですが、半分です。

この作品の出発点は、1980年代初頭に宮崎駿がNHK向けに準備した企画でした。しかもその位置づけは、『未来少年コナン2』です。

そして作中のノーチラス号は、『海底二万里』のデザインですらありません。

この記事では、記録に残っている企画の成り立ちを確認します。

結論:出発点は宮崎駿の幻の企画です

問い 記録にあること
元ネタは何か 宮崎駿がNHKで準備した『海底世界一周』という企画。位置づけは『未来少年コナン2』
原作クレジットは ジュール・ヴェルヌ『海底二万マイル』(海底二万里)、『神秘の島』(原案)
ノーチラス号のモチーフは 1969年の東宝特撮映画『緯度0大作戦』の潜水艦アルファ号
誰が作ったか 総監督 庵野秀明。制作は東宝、アニメーション協力にGAINAX

『海底世界一周』は、未来少年コナン2という位置づけだった

企画の出どころが、記録に残っています。

1980年代初頭に宮崎駿がNHKでのTVシリーズ作品として準備した『未来少年コナン2』という位置付けの『海底世界一周』という企画であるふしぎの海のナディア - Wikipedia

『未来少年コナン』は1978年4月4日から10月31日にNHK総合で放送された全26話、監督は宮崎駿です。
その続編にあたる企画が準備されていた、ということになります。

ただしこの企画は、そのままでは形になりませんでした。

企画はNHKと東宝に残され、1980年代後半になってNHKのプロデューサーがガイナックスに持ち込みました

そこから作られたのが、1990年放送の『ふしぎの海のナディア』です。
およそ10年、企画が置かれていたことになります。

「ナディアの元ネタは何か」という問いへの答えは、ヴェルヌの小説であると同時に、この宮崎駿の企画でもあります。

『天空の城ラピュタ』に似ているのは、偶然ではありません

ナディアを見て『天空の城ラピュタ』を思い出した人は多いはずです。
その理由も、同じ記録の中に書かれています。

謎の青い石や超古代文明の設定、第1話のナディアが追われるシーンなど本作が『ラピュタ』に類似したストーリー展開を持つのはこのためであるふしぎの海のナディア - Wikipedia

「このため」が指しているのは、どちらも宮崎駿の同じ企画から派生しているということです。

具体的に挙げられているのは3つです。

共通する要素
謎の青い石
超古代文明の設定
第1話でヒロインが追われるシーン

どちらかがどちらかを真似たという話ではありません。
同じ根から2本に分かれたという関係になります。

ガイナックスは孫請けです

もうひとつ、制作体制で誤解されやすい点があります。

ナディアは「ガイナックスの作品」として語られることが多いのですが、記録上の位置づけは違います。

制作はNHKと東宝、アニメの制作元請けはグループ・タック実質的なアニメ制作を行ったガイナックスは孫請けです。

ノーチラス号のデザインは『海底二万里』から来ていません

ここが調べていて一番意外だったところです。

『海底二万里』をフィーチャーした世界観もあり、万能潜水艦・ノーチラス号が登場するが(このデザインモチーフは1969年の東宝特撮映画『緯度0大作戦』に登場する潜水艦・アルファ号である)、本作のノーチラス号は古代アトランティス人によって建造されたものふしぎの海のナディア - Wikipedia

2つのことが書かれています。

ひとつは、デザインのモチーフが1969年の東宝映画『緯度0大作戦』の潜水艦アルファ号だということ。

制作が東宝であることを思い出すと、自社の特撮映画から持ってきたという筋が見えます。

もうひとつは、作中のノーチラス号が古代アトランティス人によって建造されたものだという設定です。

名前は『海底二万里』から借りていても、デザインの出どころも、船の出自の設定も、原作とは別のところにあるということになります。

原作クレジットはヴェルヌの2作です

公式にクレジットされている原作は、次のとおりです。

作品 扱い
ジュール・ヴェルヌ『海底二万マイル』(海底二万里) 原作
ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』 原案

『神秘の島』のほうが原案として区別されている点は、見落としやすいところです。

『海底二万里』の発表は1870年、『神秘の島』は1874年
どちらもジュール・ヴェルヌの冒険小説です。

スタッフは、のちのエヴァンゲリオンと重なります

制作陣を並べると、見覚えのある名前が続きます。

役割 担当
総監督 庵野秀明
監督(第23話 - 第39話) 樋口真嗣
キャラクターデザイン 貞本義行
音楽 鷺巣詩郎
シリーズ構成 大川久男

『新世紀エヴァンゲリオン』の放送は1995年、ナディアの5年後総監督・キャラクターデザイン・音楽の3つが、同じ顔ぶれで並んでいます。

両者の内容がつながっているという話ではありません。
作り手が重なっているという事実だけを、ここでは書いておきます。

基本情報

項目 内容
放送局 NHK総合テレビ
放送期間 1990年4月13日 - 1991年4月12日
話数 全39話
アニメーション制作 東宝(アニメーション協力:グループ・タック、GAINAX)/KORAD(韓国)
原作 ジュール・ヴェルヌ『海底二万マイル』『神秘の島』(原案)

およそ1年にわたる放送でした。

よくある質問

ふしぎの海のナディアの元ネタは何ですか?

2つあります。
公式の原作クレジットはジュール・ヴェルヌの『海底二万マイル』と『神秘の島』(原案)です。一方で企画そのものの出発点は、1980年代初頭に宮崎駿がNHK向けに準備した『海底世界一周』で、これは『未来少年コナン2』という位置づけでした。

ノーチラス号は『海底二万里』のものと同じですか?

名前は同じですが、設定もデザインも違います。
デザインのモチーフは1969年の東宝特撮映画『緯度0大作戦』に登場する潜水艦アルファ号で、作中のノーチラス号は古代アトランティス人が建造したものとされています。

宮崎駿は制作に関わっているのですか?

記録にあるのは、企画の出発点となった『海底世界一周』を準備したという点です。
その企画はNHKと東宝に残され、後にNHKのプロデューサーがガイナックスに持ち込みました。

誰が作った作品ですか?

総監督は庵野秀明です。第23話から第39話の監督は樋口真嗣、キャラクターデザインは貞本義行、音楽は鷺巣詩郎が担当しています。
アニメーション制作は東宝で、GAINAXなどが協力しています。

何話ありますか?

全39話です。1990年4月13日から1991年4月12日まで、NHK総合テレビで放送されました。

この記事は、作品の企画の成り立ちについて記録を確認したものです。
放送期間・話数・スタッフ・原作クレジット・企画の経緯は、いずれも出典にあたって確認し、引用は原文のまま載せています。
エヴァンゲリオンとの関係については、スタッフが重なるという事実のみを書いており、内容上のつながりについては何も主張していません。

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